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インフルエンザ基礎知識

1、インフルエンザとは?

インフルエンザとは?

インフルエンザウイルスに感染して起こる病気です。

伝染性が非常に強く重症化しやすいため、普通のかぜとは区別すべき病気です。症状はかぜと似ていて、なかには軽くすむ人もいますが、甘く見ていると死に至ることもある怖い病気です!

特徴1

「伝染性が非常に強く、あっという間に人から人へうつり、広い範囲で流行すること(具体例:学級閉鎖)」

特徴2

「症状が激しく重症化しやすいこと(具体例:普段のかぜでは仕事を休まない人がインフルエンザでは欠勤することがあります)」

特徴3

「肺炎や脳症などの合併症や持病の悪化を引き起こして、死に至ることもあること(具体例:インフルエンザの流行時期に一致して日本全体の死亡率が高くなります)」)

2、インフルエンザ・ウイルスとは?

直径は90-120nm(1nm=百万分の1mm)の球状のウイルスで、A型、B型、C型があります。ウイルスの表面には微細な突起物が沢山あって、これで宿主(そのウイルスに寄生されて病気になる動物)の細胞にくっついて中に入り込みます。ウイルス表面には400~500個ある突起はスパイクと呼ばれ、HA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)という物質の組み合わせです。

A型インフルエンザウイルスの亜型(イメージ)

A型インフルエンザウイルスの亜型(イメージ)

A型のウイルス粒子表面のHAとNAついて、現在HAは16種類、NAは9種類が知られています。この組み合わせだけでも、144種類もの型(正確には亜型と呼ばれます)があるのに、A型インフルエンザウイルスのHAとNAは、同じ亜型の中でもわずかな変化を常に起こします。

B型とC型には1つの亜型しかありません。そもそもC型はヒトには感染しません。B型が大流行しないのは1つの亜型しかないため、防げないほど大きく変化する場合がほとんどないからです。

3、インフルエンザ・ウイルスの変異とは?

ウイルスは常に構造に変化が生じています。これを「変異」と言います。変異には2種類あり、それぞれ「連続変異」(=小変異)と「不連続変異」(=大変異)と呼ばれています。

「連続変異」とは、同じA/H1N1型の中で、HAやNAが少しずつ変異するものです。やっかいな事に同じ型でも、この「連続変異」で毎年微妙に形を変化させますので、以前にインフルエンザにかかってできた免疫も役に立つとは限りません。一度感染を受けていても今までの免疫で防げる程度に似ているウイルスもいれば、防げないほど大きく変化する場合もあります。このため、ヒトによっては毎年のようにA型インフルエンザに感染することも起こりますし、インフルエンザの流行も毎年起こっています。毎年かかる可能性があるのです。予防注射もそれを追いかけて、毎年違うワクチンを注射しなくてはなりません。

A型は小変異を続けながら数年から数十年単位で流行が続きます(同じ型のウイルスが連続して毎年流行する中でのちょっとした変異なので「連続変異」とよばれる)が、突然まったく別の亜型に取って代わることがあります。これを大変異(それまでのウイルスが途絶えて連続流行が途切れる時の変異なので「不連続変異」とよばれる)といいます。10~40年に一度起きる変異で、HAやNAが全く違う型に置き換わってしまうものです。これがいわゆる「新型インフルエンザの発生」と呼ばれるものです。スペイン型(H1N1)は1918年から39年間続き、1957年に急にアジア型(H2N2)が現れました。アジア型が11年続いた後1968年には香港型(H3N2)、1977年ソ連型(H1N1)に変化しました。現在はA型であるH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフルエンザウイルスが世界中に流行しています。

4、インフルエンザの世界的流行とは?

インフエウエンザの世界的流行とは?

A型インフルエンザウイルスは、ほかの動物にも感染するため、渡り鳥や家禽がインフルエとンザウイルスの「運び屋」として注目を浴びているのを御存じの方も多いでしょう。

鳥は勝手に国境を越えて世界中を旅します。だからインフルエンザも世界中に広がるのです。でも、最近は飛行機で人類も世界中を飛び回るので、空港の検疫の方々が必死で旅行者の体温を赤外線で測ったりして病人の入国を止めようと努力なさっているのです。

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